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2012年12月1〜2日に東京お台場の日本科学未来館で開催されたMaker Faire Tokyo 2012に出展してきました。

ブースに立ち寄っていただいた方、どうもありがとうございました。

会場で配った名刺。O’Reillyの表紙っぽくしてみました。

 

「Makeらしい」見せ方が上手な展示が多い中、受信が成功していないために地味なガチ展示となってしまいました。

とはいえ刺さる層には刺さったようで、

・スペアナ買ったので作りたい

・学生時代リモートセンシングやってたので懐かしい

・ひまわりの画像、仕事で使ってますよ〜

などの声を戴きました。

 

会場でお話しした方にはお伝えしましたが、受信自体はまだ成功しておらずいろいろ試行錯誤している段階です。

 

ただ来場された方からこうすればいいのでは?というアドバイスも戴いたので、その辺含め現状について書いておきます。

 

なお受信に成功していない為、情報が正確でない可能性がありますのでご了承ください。

 

MTSAT LRITとは

気象衛星センターについて

NOAA画像の受信

私がチャレンジしている構成

技術的課題

今後の展開とお願い

MTSAT LRITとは

TVなどでおなじみ気象衛星ひまわりですが、正式には運輸多目的衛星といいます。英語の略称はMTSAT。気象観測以外に航空管制などにも使われているとか。

気象庁単独では予算が組めず、予算の割合的には運輸省航空局の予算の方が使われているみたいですね。

 

今はひまわり7号が使われています。絵面としては回転制御なひまわり1〜5号のイメージがあるんですが、今は三軸制御のこんな形だそうです。意外…

 

赤道上空36000kmを飛行する静止衛星のため、受信に当たって追尾装置は不要です。

東京の場合方位角179.6度、仰角48.6度でほぼ真南にアンテナを向ける形となります。

方位角については本来であれば衛星の世代交代のタイミングで変わりますが、それまで観測を担当していた衛星がバックアップ兼中継に回ることで再調整は不要な模様。ただし、後述するHRITで受信していた場合については投影変換が必要になるようです(「ひまわり7号」に関するお知らせ)。

 

1時間に1回全球(地球全体)画像の撮影が行われており、撮影された画像はLRIT(PDF:低速情報伝送)とHRIT(高速情報伝送)という2種類のフォーマットで配信されています。その他北半球のみ、南半球のみの撮影も行われているようです。

私がチャレンジしているのは前者のLRITの方です。

 

HRITは気象庁や大学などの研究機関=大規模受信局、LRITは漁協等の小規模な受信局を想定しているようで、それぞれ機材も市販されています。

 

なお、衛星経由の画像配信は次のひまわり8号に切り替わる平成27年上半期をめどに配信中止されることが決定しています。この記事読んで挑戦しようと考えている方は要注意です。

まあインターネットも普及してるし気象庁で受信してネットで再配信する方が効率的ですよねえ。

受信した雲画像は気象庁のサイト等で一般公開されているため、自力で受信しないと見られないという訳ではありません。

むしろ自前で受信すること自体に意味を見いだせる以外は無意味です←ここ大事。

 

仕様書読んでいただくと分かりますがWeb系な人間にはお馴染みOSI参照モデルに準拠した形でL1〜L7まで定義されています。以下は衛星側の処理を記述したものです。TCP/IPとかは出てきません…

Layer7 アプリケーション層 アプリケーションデータの取得
Layer6 プレゼンテーション層 イメージセグメンテーション化
LRITファイルへのフォーマット
Layer5 セッション層 圧縮(必要であれば)
暗号化(必要であれば)
Layer4 トランスポート層 APID(Application Process Identifier)のdeterminate
パケット化
Layer3 ネットワーク層 VC-ID(Virtual Channel Identifier)の決定
Layer2 データリンク層 パケットからM-PDUsへの変換
多重化
VCDUsへの変換
idle frameの生成
リードソロモン符号化
同期信号のattach
Layer1 物理層 シリアライズ
ビタビ符号化
変調

気象衛星センター

ちょっと脱線しますが、ひまわりのデータの受信は埼玉県鳩山町の気象衛星通信所で行われており、東京都清瀬市の気象衛星センターで観測スケジュールの策定など後方支援が行われているそうです。

前線基地と本部っていう位置づけのようです。

ひまわりのデータ受信やテレメトリー監視、コマンド送信は気象衛星通信所で行っていますが、NOAA16、18、19とMETOP計4つの極軌道衛星からのデータ受信は気象衛星センターでやっているとのこと。

 

後者の気象衛星センターは年に一度、気象庁の各測候所等で開かれる「お天気フェア」に合わせて一般公開が行われます。

私も今年の8月26日に開催されたお天気フェア2012の際に行ってきましたが、管制室はいかにも人工衛星の管制室といった感じでカッコイイです。アメダスで使われている風向風速計や雨量計なんかの展示、数値予報で使われているスパコンの展示(見損ねた!)もあります。

気象衛星センター01
気象衛星センター02

 

説明して下さる職員の方が、「天気図の等圧線描画プログラム書いたの私です」というような方だったりするのでコアな情報がゲットできます。ちなみにひまわりは一日に38000のコマンドが実行されているそうですが、そのプログラムのほとんどは職員の方が書いていて言語はC言語を使っているそうです。外注に出すと高いと(ry

 

興味ある方は行ってみてください。

気象庁のゆるキャラも来るので子連れでも楽しめると思います。むしろ子どもばっかりです。

NOAA画像の受信

同じ気象衛星画像ということだとアメリカの気象衛星NOAAの受信が挙げられます。

 

配信方式はHRPT(高解像度画像転送:1700MHz帯)とAPT(自動画像転送:137MHz帯)の2種類ありますがAPTの方であればアマチュア無線の設備で受信が可能なため、こちらにチャレンジされている方は結構います。

 

書籍も発売されています。

会場でもNOAAの受信やったことありますって言う声を何人かから戴きました。

 

HRPTの場合だとNOAAは極軌道衛星で地上から見て静止していないため、追尾装置が必要になります。

 

ひまわりの場合LRITでも1691MHzのため、NOAAのAPTのようにダイボールアンテナ+アマチュア無線の機材で受信という訳にはいきません。

ここがチャレンジされている方が少ない理由だと思います。

私がチャレンジしている構成

基本的にはgigastさんのサイトで公開されている構成と同じです。基板については回路図を元にCadsoftのEAGLEで私が再設計し使用しています。

アンテナ

スカパーのアンテナです。1.5mとか1.8mのアンテナも売っていますが、価格はともかく賃貸なんでちょっとこのサイズは辛いかも…

LNA(Low Noise Amplifier)

LNA

ドイツのマイスター(勝手なイメージ)に注文しました。Kuhne electronicという会社のKU LNA 172 Aというモデルです。サイトを見ていただくと分かりますが、衛星通信周りの機器を製作している会社のようです。

KU LNA172Aのスペックは
・周波数帯域1685-1705MHz
・ゲイン35dB

といった感じ。

なぜか最新版の価格表には載っていませんが、メールで問い合わせると受注生産で2週間待ちで対応して貰えました。ドイツの会社ですが、問い合わせは英語でOK。支払いはPaypalになります。

国内でも類似品は探せばあると思います。

サテライトモデム

サテライトモデム
e-bayで買いました。SDM-300A(※PDF)というモデルで送料込みで$244.95。元々はインテルサットやインマルサット等通信衛星との通信で使われているようです。

ダウンコンバータ

ダウンコンバータ

gigastさんのところで公開されていた回路図を元に、私が基板に起こして香港の基板屋さんに発注して製作しました(EAGLEで設計した基板のFusionPCBへの発注 )。

ただディスコンになっているパーツがあるので今から作るのは結構大変です。国内だと手に入らず、深圳とか香港のパーツ屋に問い合わせて入手したパーツもあります(失敗事例→国際送金でミスるといろいろ面倒な件について )。

これを1から設計する技術力は私にはありません。

デコーダ+フレーマー

デコーダ+フレーマー

こちらもgigastさんのところで公開されていた回路図を元に、私が基板に起こして製作しました。

これも結構ディスコンなパーツがあります。

EAGLEで作成したデータについては御入り用な方はお譲りしますので、コメント欄やTwitterからご連絡下さい。ただし使用しているEAGLEがHobbyist版なため非商用利用という条件となります。

それから設計が正しいかどうかはまだ確認中。あと私ソフトウェアが専門なので高周波回路としての動作は一切保障しません。

Rapsberry Pi

Rapsberry Pi

今流行りのRapsberry Pi。ケースはPibowです。

Pibowはカワイイけど壊れやすいです。私は2箇所ほど骨折させてしまい、満身創痍な状態orz。

画像処理に使おうかなと思っています。

当然ながらPCで処理する方が高速ですが、24時間365日受信続けるのに常時PC稼働させるのは癪だなと思いまして…

7月に注文して12月に届きましたが、発売元のRS Componentのサービスで搭載メモリ512MBのBlock Bになりました。つーか2ライン動かすのコスト高なんでしょうね。

技術的課題

サテライトモデムからデータ取り出すところが分からん。

今後の展開とお願い

会場でいくつかアドバイスをいただきました。

 

・TVチューナーのファームウェアを書き換える方法

・DSP(Digital Signal Processor)を使う方法

 

ぶっちゃけWebエンジニアな私には結構ハードル高いんですが、こちらの方が機材が簡単になるかもしれません。

この辺の構成詳しい方いらっしゃったら是非ご連絡ください♪

来年のMFTではちゃんと受信できてるといいなあ。

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